2009年05月30日

イエローハウス参加者としての議事録分析&アルセウについて

ブログ執筆中に偏頭痛を起こして寝ていたところ、イエローハウスで知り合った友人からメールが来た。

アルセウ登録抹消。

少しの驚きと、「やはり」という感情が交錯した。

驚きは、ここまで早く発表に至るとは思わなかったこと、やはり、というのはイエローハウスに実際に参加して小見さんの話を聞き、そしてあらためて議事録を読んで、今季絶望がわかってしまったから。

この日に発表に至るということは、イエローハウスより前にすでに決断は出ていたのは間違いない。ただ、それを一方的に発表するのではなく、イエローハウスという限られた空間ではあるが、サポーターに今期は難しいことを、話せる範囲のギリギリの表現で伝え、翌日に議事録で広くサポーターに伝え、心の準備をしてもらってから正式発表という手続きを踏んだものと思われる。
その意味で、議事録にも書いてある小見さんの「今日この場から言える時期になったと思う」という言葉は非常に重いし、これらのプロセスを踏んだクラブのやり方は評価したい。

分析してみよう。
アルセウの怪我の状態の質問に関して、小見さんはこう答えている。
「後十字靭帯だけでなく、前十字靭帯・外側側副靭帯・半月板もやられており、膝がトラックに乗り上げられた状態になっていたので、そう簡単には良くならない。明るい話題はないが、今は元気にリハビリをやっている」(議事録より抜粋)

この時点で、「膝の靭帯の大半がやられている→相当な時間がかかる」ということが明らかになっている。重苦しくなりそうな雰囲気を和らげるため「元気にリハビリをやっている」と、救いとなる言葉を付け加えている。

次によく出ていた噂「アルセウをいったん契約解除して、新外国人を呼ぶのでは」という話については、
「アルセウが復帰できないという結論がはっきりすれば、考えざるを得ない」(議事録より抜粋)

前述のとおり、「アルセウの復帰には相当な時間がかかる=(少なくとも今期は)復帰できない」ということははっきりした。そこで「考えざるを得ない」=一度契約を切って新外国人を呼ぶことを考えなければならない、ということになる。

そして議事録を掲載した翌日に、登録抹消の発表。これはアルセウに代わる新外国籍選手を獲得するというクラブの意思表示に他ならない。


本題に戻ろう。

昨日イエローハウスの議事録が公開され、それを読んだ感想もいくつかのブログに載っている。
いろいろな見方があるが、みんなレイソルの将来を真剣に考えているということが伝わってくる。

ただ、全体を読んだ感想というのが多いように思える。これは参加できなかったことや、発言者が多くて議論が分散しているという点では致し方ない部分もある。

しかし、参加した身だから言えるのかもしれないが、諸事情などを考えながら読み込んでいくと、いろいろなことがわかってくる。

そこで、実際にイエローハウスに参加した自分自身の視点で、また諸事情・推測も含めて議事録について考察・分析をしてみたいと思う。


その前に、前提を。

・今回は参加者が34名という多人数(これまでの経験上、通常の3〜4倍以上)で、それだけ発言内容が分散してしまい、まとまりという面ではいまいち欠けるということ。つまり、あちこちに飛んでいる話を総合して判断する必要がある。
・役員代表として出席した寺坂さんは、おそらく場慣れしておらず、ちょっとかわいそうな立場だったこと。(フォロー役の人がいれば、もう少し質疑応答も変わっていただろうと思われる)
・僕がどの発言にかかわっていたかも基本的には書かないこととする。(議事内容に深く関与することになるため)
・自分の感想や推測は書くが、議事録に載っていない発言は一切載せない。掲載する発言は、すべて議事録の要約または抜粋である。これはイエローハウスの原則であり、クラブとの信頼関係を損なうことが理由である。



1.冒頭の寺坂さんの挨拶について
議事録を読まれた方は、まず「なぜ『監督やGMの解任』という意見に行き着くのか残念でなりません」という部分に不信感を持ち、噛み付いたことと思う。僕も含めて参加者もみな同じだ。

しかし、一晩、二晩と経ち、記憶の整理や寺坂氏の置かれた立場・(たぶん)場慣れしていないことを考えると一定の推論が導き出せる。

寺坂さんはイエローハウスに参加した以上は、サポーターに向けて一定の話をしなければならない立場ではあるが、同時に常務取締役という「中の人」という役職上、クラブ内部の人々の士気・モチベーションを落とさないようにしなければならない立場にある。
で、内側から見ると、

高橋監督と選手の信頼関係はしっかりしている
(日常的に見ている人の方がよくわかるのは当然。それ以外の要素については後述)
    ↓
ここで監督を解任したらその信頼関係がなくなり、チームがばらばらになる
(これも中の人なら容易に想像できる)
    ↓
選手のみならず、クラブで働く人々の士気が下がる
    ↓
2005年の悪夢再現

ということから、「今、解任したら2005年の再現になってしまうのに…」という思いが強く、それが「なぜ…」の発言につながったと言える。

つまり寺坂さんとしては、解任を求めるサポーターの気持ちが理解できないのではなく、「今は結果が出ていなくても、信頼関係が築けている監督をこのタイミングで解任することは、2005年の再現につながることになり、それだけは避けたいことをわかってほしい」というのが真意だということになる。このあたりは寺坂さんをフォローする人がいればよかったのではないかと思う。


2.「サポカンは開催しない」発言について
私もサポカン推進論者だったため、この発言には噛み付いてしまった。しかし整理してみると、寺坂さんの言葉が誤解を招いている部分も大きい。
議事録を見ると、「情報発信は『サポカン』という形ではなく、別の方法を考える」と言っているのだが、最初に「サポカンの予定はない」と言ってしまったものだから、「サポカンの予定はない=サポーターの話を聞かない」という誤解が一人歩きしてしまってしまい、紛糾してしまった。

その中でも注目すべき点はある。中盤からの小見さんの発言の中に、「今日この場から言える時期になったと思う」とある。

ではこれから何をどうやって発信するか、そしてクラブからの一方通行ではなく、サポーターとの双方向のコミュニケーションが取れること、そこが重要だ。
開かれたクラブを標榜しているのならば、最重要課題といっても過言ではない。

その意味で、今回のアルセウの登録抹消に至る3段階のプロセスを踏んだことは、良いやり方の一つだと思う。


3.「21試合で五分」の表現について
これも誤解を与えているが、フロントが最初から「五分でいい」と思っているわけではない。よく読むと、「残留のためには勝率5割で行かないといけない」と言っているのは参加者の方が先である。

逆算して出てくる数字なのだが、

残留のための勝ち点は最低でも40なければならない
    ↓
残り21試合での必要な勝ち点は31
    ↓
1試合あたりの必要勝ち点は約1.5という計算になる
    ↓
つまり1勝1敗ペース、勝率5割が必要

ということ。


4.高橋監督について
議事録では監督と選手の信頼関係について、「それは大丈夫」と小見さんはさらりと流しているが、少し上の発言の方が詳しく触れている。「選手自身は現時点で誰も監督の責任だけだとは思っていない」という発言の方が重い。

僕が驚いたのは、「前から一辺倒にプレスをかけていくのは変えたい、と主力選手の中からも意見が出ていた」(議事録から抜粋)という発言だ。
小見さんの発言を順を追って読み進めていくと、この意見を受けてかどうかは不明だが、高橋ヘッドコーチ(当時)が「石崎監督のサッカーをベースにアクションサッカーをやったがうまくいかなかった」(議事録より抜粋・要約)ということになる。終盤に残留争いに巻き込まれたのはこれが一因だろう。
しかしこの流れを見ると、石崎監督のプレッシングサッカーから高橋監督のアクションサッカーへの転換は、主力選手の意向も受けてという推測が成り立つ。

もちろん、選手が石崎監督を否定していたことなどあるはずがない。もしそうだとしたら、「石さんのために」を合言葉に天皇杯のファイナリストにまで行けるはずがないからだ。


しかし、石崎監督→高橋監督の方針転換は、単にフロントとの強化方針の相違だけでなく、選手の中にもそれを志向していた人がいるということになる。
そうなると、現時点で解任という手段をとらないこともわかる。選手と監督の目指すサッカーが一致しているからだ。それゆえ、歯車がいい方向に動き出せばうまくハマる可能性を十分秘めているという判断が働いていることと思う。確かに、選手と監督の志向するサッカーが乖離していたら、現在のように結果が出ずとも最後まであきらめずに戦うことなど到底できない。
その信頼関係を崩さないためにも、現在は続投の道を選んだのだと思う。

ただ、前線からプレスがかからないことにより、相手にいいようにボールを回されることが格段に増えたのは事実。また守備はクラブでの指導経験のない井原コーチに任せているためか、崩壊と言っていい状態だ。

このため、小見さんは続投としながらも、最後通牒を提示している。それがリーグ戦再開後の4試合。ここで勝率5割を切るようなことがあれば、解任は免れないだろう。これは僕の想像だが、小見さんは用意周到な人だから、すでに次の人はリストアップしていると思う。


5.補強について
アルセウについては、書くことがなくなってしまった。登録抹消したことから、そこに新外国籍選手を呼ぶことはほぼ間違いない。
また、これに小見さんの言葉「補強も考えていかなければいけない。アジア枠も含めて…」(議事録より抜粋)を重ね合わせると、アジア枠を活用するということが明らかになった。
ただ、そうするとA契約枠との兼ね合いが問題となる。誰かを期限付移籍として出すこともあることは覚悟しておいたほうがよさそうだ。



分析がフロント寄りと思われるかもしれないが、2005年の悲劇を繰り返さないという点では、クラブもサポーターも一致している。そのためには、両者とも歩み寄って苦境を乗り越える覚悟を持つことが一番大切である。
posted by SUN'S SON at 01:07| Comment(3) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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